「とちぎ未来大使※」を務める、中国料理「美虎(みゆ)」五十嵐シェフとイタリア料理店「アル・ケッチァーノ」奥田シェフが栃木県産農産物を用いたメニューを開発!メニュー開発秘話や食材へのこだわりなどについて、2名の有名シェフから様々なお話を聞きました。
司会(一社)とちぎ農産物マーケティング協会
主任 船越 直美
※「とちぎ未来大使」とは?県内外で活躍している方で、栃木県に深い愛着を持ち、とちぎの魅力・実力の対外的情報発信を積極的に行ってくれる方に、知事が「とちぎ未来大使」を委嘱しています。
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五十嵐 美幸 (中国料理「美虎(みゆ)」オーナーシェフ) 22歳の若さでフジテレビ「料理の鉄人」への出演をはたし、数々の雑誌、テレビ番組に取り上げられる。現在、日本酒の熱燗とのコラボレーション企画「美虎Gats」の本格営業を幡ヶ谷本店で開始、Facebook上でのオンライン料理教室を行うなど、オーナシェフとして腕を振るいながら、料理の企画・開発、食育活動、多数の料理専門学校における特別講師を務めるなど、様々な料理関連の活動を手掛ける。2019年、「とちぎ未来大使」に就任。
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奥田 政行 (イタリア料理店「アル・ケッチァーノ」オーナーシェフ) 山形県鶴岡市の超人気イタリア料理店「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフを務めるかたわら、栃木那須高原のドッグスパリゾートホテル「アルトピアーノ」や東京銀座「ヤマガタサンダンデロ」、東京スカイツリー、福島など日本各地のレストランをプロデュース。鶴岡市農業発展奨励賞、第一回辻静雄食文化賞、農林水産省料理マスターズシルバー賞、文化庁長官表彰など各賞を受賞。食の都庄内親善大使を務めるなど地産地消を代表する料理人。著書多数。
この度は、栃木県産農産物を用いたメニュー開発を担当下さりありがとうございます!お二人が感じる栃木県産農産物の特徴や、メニュー開発秘話などを伺えればと思います。
「とちぎの星」は冷めてもお米の甘みが出るなって改めて思いました。その良さを活かしたくて、「プレミアムヤシオマスを使った山の中華風 ちらし寿司」を開発しました。
「とちぎの星」は甘みがあってもちもち感がありますよね。中華風のちらし寿司にビックリしました。辛みと酸味の味付け、甘みがある「とちぎの星」を合わせることで、味の対比がきいてて甘味が引き立って美味しかったです、ごちそうさまでした!
ありがとうございます!今回「プレミアムヤシオマス」を使ってみて、かなりビックリしました。昔のマスって独特な匂いや癖がありましたけど、「プレミアムヤシオマス」はそれが全然なくて、うま味が凝縮されてて美味しくて素晴らしいなって。
僕が日本中のマスを食べてきたなかで、美味しい「日本三大マス」と勝手に思っているのが、岩手県の八幡平サーモン、静岡県のクヌギマス、そして栃木県の「プレミアムヤシオマス」なんです。僕は今回「プレミアムヤシオマス」を43度で低温調理したメニューを開発したんですけど、ホント臭みが出ないんですよ。
なんだろう、火が入っているのか生なのか分からないぐらいの食感。生より生っぽくジューシーな感じで美味しいですね。マスをここまでの食感にできる人ってなかなかいないと思いますよ(笑)
独創的で美味しい料理を開発くださりありがとうございます!海がない栃木県で、生産者さんが川魚で色々努力を続けてくださっていて、栃木県としても「プレミアムヤシオマス」を全国的にPRしていきたいと思っています。
話戻って「とちぎの星」、粒が大きくてしっかりしているのも特徴で、炒めてもふっくらパラパラ。その良さを活かしたくて「とちぎの星を使ったとちぎ和牛焼肉チャーハン」を作りました。「とちぎ和牛」の贅沢な旨味が粒の大きいお米にも馴染んで最高の仕上がりでした。
「とちぎ和牛」の脂の美味しさって、しつこくなくて軽いんですよね。今の時代に合っているというか。美味しくて身体に負荷がかからない感じがします。
確かにそうですね。
「とちぎ和牛」を使ってもう一品。中華定番の前菜料理に、辛味の効いた特製のタレを蒸し鶏にかけて味わう「よだれ鶏」があります。それをアレンジして、奥田さんが仰る「とちぎ和牛」の良さを活かして、ぱくぱく食べられる前菜おかず「よだれとちぎ和牛」を作りました。
栃木県産農産物の良さを活かして下さりありがとうございます!
そう、食材の良さを活かすのが大切!僕は炊き立ての「とちぎの星」に塩コショウを振って、しゃぶしゃぶスライスの「とちぎ和牛」をのせて、ガスバーナーで炙りました。バーナーで炙ることで「とちぎ和牛」の脂が液状になって「とちぎの星」に流れ落ちて、塩とコショウの塩っぱみと辛味が「とちぎの星」の甘味を引き立てます。思わず笑顔になるような料理です。
奥田さんの料理って、食べるたびに“この食材美味しい!”ってホント感動させられます。本当に良い食材はシンプルに、その魅力を引き立てるのが一番ですよね。
美味しくて体によい料理ってスッとこう体に消えていくというか、浸透していくようなイメージだと思うんですよね、その感覚を大切にして料理することを僕は心がけてます。
奥田シェフは今回、「にら」をタップリ使ったお料理を作ってくださっていて。栃木県は「にら」の生産量が全国第二位の産地でして、ぜひ「にら」の特徴や活かし方等お聞かせください。
「にら」は食感と独特の香りを楽しむ食材です。僕は全国のにら産地で食べ歩いているなかで、栃木県の「にら」は歯ごたえがすごくいいと思います。
微妙な「にら」って辛みが変で、火を入れると変な苦味が出たりするんですけど、栃木県の「にら」は青臭くなくてうま味があって美味しい。
「にら」は生で食べると辛みがあって、火を通すと甘くなる。ちなみに「にら」の独特な香りはアリシンと呼ばれる成分で、ニンニクやネギにも含まれています。今回、栃木県産の「にら」の良さを活かそうと思って、「にらのルイユにつけて食べる魚介のあっさりトマトスープ」を作りました。フランスのブイヤベースにはニンニク入りのマヨネーズが付属するのですが、その代わりに「にらマヨネーズ」を添えました。塩茹でして刻んだにらとマヨネーズをミキサーで回すと、キレイな緑色のニンニク風味のマヨネーズが作れるんです。
おいし~い!強すぎず、でもシッカリと旨みが詰まっている。
本当ですね、「にら」の香りもきっちりするんですけど、まろやかなんですよね。
簡単に作れますよ!ニンニクは最近とても高価だから、料理によっては「にら」を代わりに使うのもアリですよ。「にら」を使ってもう一品、「にらとサバのグリーンカレー」を作りました。サバと相性のいいニンニクの香りを栃木県名産の「にら」で代用してみたら、色鮮やかで深い味わいのグリーンカレーが完成しました。
新しいグリーンカレーですよね!聞いたことない。
ほうれん草だと味付けしたり何か加えたくなるんだけど、「にら」って優れものでシンプルながら味わいに奥行きが出せる。凝った味と言うか、複雑な味わいが生み出せるというか、“これ、なんの調味料や香辛料が入ってるんだろう?”って思わせれるような。あと、粒の大きいとちぎの星はカレーにバッチリと改めて思いました!
栃木県産農産物の良さを活かして、美味しくて笑顔になるお料理をたくさん作っていただいて、本当にありがとうございました!
栃木県産農産物は、バランスいいんですよ。
バランス良くて、美味しくて、食材に人柄が出ているって思います!
ありがとうございます!これからも「とちぎ未来大使」のお二人には、栃木県産農産物のPRにご協力いただければと嬉しく思います。今日はどうもありがとうございました!
五十嵐美幸シェフ×奥田政行シェフ
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五十嵐シェフ
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奥田シェフ
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五十嵐 美幸シェフ Recipe
「とちぎ和牛」と「とちぎの星」の組み合わせ。中華の定番チャーハンにしてみると「とちぎ和牛」の旨味が粒の大きいお米にも馴染んで最高の仕上がり。お家でも簡単にまねして頂ける極上のチャーハンです。
中華料理に、辛味の効いた特製のタレを蒸し鶏にかけて味わう「よだれ鶏」という定番の前菜料理があります。その美味しいタレを、美味しいとちぎ和牛に合わせてみると、ぱくぱく食べられるおかずにもなるお料理が完成しました。
奥田 政行シェフ Recipe
プレミアムヤシオマスを低温調理することで、火が入っているのか生なのか分からないような食感、味わいを表現しました。
魚の切り身やホタテなどを入れるとリッチな料理になります。
このスープにお米をお湯で洗って入れても簡単で美味しいリゾット風の料理ができます。
このスープに茹でたほうれん草とうどんを入れると、イタリア風釜揚げうどんの美味しいうどんができます。
粒が大きい「とちぎの星」はカレーにピッタリ。
サバと相性がいいニンニクの香りを、栃木県名産のにらで代用して色鮮やかなグリーンカレーに仕上げました。
脂の味が良くてナッティな香りが特徴の「とちぎ和牛」を塩漬けにして、「とちぎ和牛」の脂で煮た後に、焼き色を付けました。
アスパラと相性がいいマヨネーズと、卵黄とチーズ入りのグラタンにして、アスパラの甘さを際立たせました。
ちらし寿司というと、海のものというイメージがありますが、山の「プレミアムヤシオマス」でバッチリ美味しく仕上がりました。とちぎの星に味付けをして、家族パーティーにぴったりな楽しい色合いに仕上げました。