郷土食シンポジウム
2013年12月。「和食」文化がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本食の伝統文化について関心が高まり始めたころ。
2014年3月に「郷土食」をテーマに「日本全国郷土食シンポジウム」が東京家政学院大学千代田町キャンパスにて開催されました。
ユネスコ無形文化遺産に登録されてまもなくの開催だったため、メディアの取材も多数あり、注目度の高さが伺えます。
【開催概要】
主 催 :農林水産省
協 力 :「和食」文化の保護、継承 国民会議、東京家政学院大学
日 時 :2014年3月7日(金)11時―17時
場 所 :東京家政学院大学 千代田三番町キャンパス
参加人数:200名
このシンポジウムは、全国各地で受け継がれてきた「郷土食」をテーマに、日本各地の取組を「基調講演」「分科会」「パネルディスカッション」の3本柱で進んでいきました。
今回ご登壇いただいた方々は
東京家政学院大学の名誉教授 「和食会議」副会長 江原 絢子氏
長野県短期大学生活科学科健康栄養専攻 教授 中澤 弥子 氏
料理アカデミー理事、奈良の食文化研究会理事、関西福祉科学大学客員教授 的場 輝佳氏
東海地方の海里山の食文化研究会、愛知大学地域政策学部教授 印南 敏秀氏
と、錚々たるメンバーの皆様。
郷土食の普及について専門家の皆様から、家庭・地域・学校教育・地産地消など、現場で行われている取り組みの報告、各現場への提案などお話しいただき、非常に濃い内容となりました。
比例するように、全国から集結した郷土食に対する熱い参加者たちの熱気と思いが会場を包みこみます。
郷土食のその課題と可能性というテーマのパネルディスカッションでは、
専門家と参加者の皆様との活発な意見交換が行われ、今後は郷土食や和食文化の背景の伝承にプラスして、地域、学校、家庭、企業、行政が更に連携していくこと、これらを共有できるネットワークづくりも重要であるといった意見が上がりました。
また、食育の授業を具体的にはどのように行うべきなのかと言ったアドバイスを求める声もあり、今回のシンポジウムをきっかけにして更に郷土食への関心が高まっていくことが期待できます。
さらに昼食時には「交流会」が設けられ、全国9ブロックの「郷土食」を実際に会場でプロの皆様に再現してもらい、試食していただくという美味しい!嬉しい!楽しい!イベントも。
弊社は、この「交流会」の企画・運営を担当しました。
ロケーションリサーチ設立当初からお世話になっている郷土食の専門家、料理人、伝承団体の方々のプロの皆様の協力をいただきながら、これまで積み重ねてきた提供イベントのノウハウをこれでもかと総動員!
全国に存在する珠玉の「郷土食」メニューの展示と試食、参加者同士の意見交換と交流の場を設け、ただ試食するだけではなく、各地域の郷土食のいわれや、想い、PRの場としてインタビューも行い、多角的に郷土食を体験できるイベントとなりました。
提供された料理は、地域の食文化を守るため、都内で、地元で活動されているプロの皆様の渾身の郷土食。
馴染みがない料理であっても参加者たちはどこか懐かしさを感じたようで、あたたかみと歴史を感じる郷土食の力によって、大変賑やかで楽しい雰囲気となり、郷土食及び日本食の素晴らしさを体感できる良い機会となったようです。
また、今回試食した全国の郷土食は、レシピ化して参加者にお土産として配布が行われ、日本食・食文化に感度の高い皆様はとても喜んでいました。
レシピシートを持ってプロの方に質問をする参加者の様子も。
【全国9ブロックの郷土食】
北海道ブロック「豚丼(北海道)」、東北ブロック「せんべい汁(青森県)」、北陸ブロック「治部煮(石川県)」、関東ブロック「太巻き寿司(千葉県)」、東海ブロック「味噌煮込みうどん(愛知県)」、近畿ブロック「柿の葉すし(奈良県)」、中国四国ブロック「なすのたたき(高知県)」、九州ブロック「だぶ(福岡県)」、沖縄ブロック「ゴーヤーチャンプルー(沖縄県)」
ロケーションリサーチが2007年から目指し活動してきた、日本の地域食文化の魅力を活用した集客・ファン作り。
本シンポジウムでも「郷土食の再現」という形で伝承・普及のお手伝いができました。